ハウルが難しすぎる

 この間の金曜ロードショーハウルの動く城だった。ジブリの中でもファンの多い作品の一つである。世界観も素晴らしく、また、まさにモテるタイプの男と言えるハウルが出てくることも一つの特徴であろうか。

 演劇でキャストをやっていてハウルのような男を演じるのは極めて難しい。理由は容姿も性格もかけ離れすぎだから、なんていうのもあるけれどもう一つ、あのハウルというキャラクターは女性がイメージする理想の男性像だ、という点もある。そもそも最初からイメージしたことがないキャラクターというのは非常に困難を極める。逆にああ言ったハウルのようなキャラクターというのは男性役を演じる女性というのは極めてうまく演じられると思う。例えば宝塚なんかもそうではなかろうか。

 宝塚というのは女性が演じる劇にも関わらずファンは女性が多いというイメージがある。これは女性が演じるからこそ理想の男性像というものを完璧に表現できるからだと考えている。男性が男性を演じるよりもむしろそれらしい表現が可能になり得る。まあもちろんその表現技術が非常に高いことはいちいち言うまでもないが。

 よくポリコレの一環として同性愛者の役は同性愛者が演じるべき、という主張があるがこれは先の理由により完璧に否定できる。演劇とは抽象世界でありリアルを描くものではない。見ている側の目線として異性愛者が同性愛者役を演じる方がしっくりくる可能性もある。勿論、そうでない場合もあるだろうが要はある役へのキャストの向き不向きにこうした異性愛か同性愛かというのはそれほど関係ないだろうと思っている。

 まあ新歓シーズンだしたまには演劇の話も良いだろう。柔道の話もしたいのだけれど中々わかりやすい話がないのが悩みの種である。

 

新歓隊長を務める たかたか。