演劇の終わりに。

長い一ヶ月の後、最後の締めのスピーチでびっくりするくらい簡単に涙が出てしまった。何の感情で涙が出るのかはよくわからない。自分はよく怒られたら泣いてしまうのだけれど別にスピーチは怒られているものでも無い。結局涙が出てくる所にとんと見当もつかない。いつか感情分析できれば良いと思っている。でも何か言葉にし難い何かが漏れ出てくるようなそういう気持ちである気がする。

演劇は人間を作ると同時にシーンを作る芸術でもある。リアリティと同時に、非現実も描かねばならない。どこまでが現実によった具体的な表現で、どこからは演劇的な抽象的な表現なのか、というのは時代でも人間でも異なるのだろうとは思う。キャストと話し合う中で揉めるのはいつもその内容であるし美術、照明、音響も同じくである。そして最後は理論武装抜きにお互いのシーンのイメージで争う事もある。結局どこまで行っても直感のぶつかり合いであると思った。

言葉にならない感情だからこそ動きが出るしそれを演劇で表現するわけでまあ改めて考えると面白い世界である。演劇にはミュージカルのようなド派手なものから人のドラマを描く演劇部で今回やったような演劇やら色々な種類のものがある。古来、日本に伝わる能や狂言などもそれらの一環だけれどこちらは見たこともやったこともまだ無い。素晴らしく眠いらしいがいつか観劇程度はしたいものである。

 

泣いたのは僕だった たかたか。