感情論者

 多数決の問題は意見が拮抗し僅差になった時、意味を為さないという点である。この点において多数決を取る際に大事なのは多数決そのものではなくて事前のすり合わせになる。

 ディベートやプレゼンをする能力というのは重要だけれどそれだけだと御託を並べているだけで感情的問題の解決につながらない。不満を緩和したり矛先を変えたりという努力が必要である。こういうことを、何事も穏便に済ませたい人間ではあるので、いつも意識はしているが、そうは言っても熱くなりやすいところもあるから実行するのは難しい。相手に対して譲歩することは正論を押し付けるより、時に遥かに困難である。

 社会の変革を促す人間というのは一部にあまりこういうことを考慮しない人間というのがいる。急進派と言われる人たちや、あるいはかなり壮大な目標を持っている人間がそれに当たる。癌ですらゆっくりと進行し、ある程度大きくなったところでようやく成長は加速してその本体は明確に現れてくるわけである。

 正に人間界における癌でありたい今日のこの頃であった。

 

ちょっとは医学の たかたか。