へそくりの清算

 百万円あったとして何に使うかと言われると極めて難しい。大きい金額に見えてあっという間に無くなってしまう額でもある。YouTuberのヒカルなら一日企画で百万を使い切る企画をしているが、もう慣れている彼ですらブランドの値段や食事の値段などかなり四苦八苦しながら使い切っている。

 もちろん例えばワイン単品に百万を使うという手段も考えられるけれど、果たして百万のワインは舌に還元された時いくらの味がするのだろう。ワインのようなお酒はダイヤと同じで所有がステータスになるからこそ高いという側面もある。かなり舌が肥えていないと百万を使う気にはなれない。

 旅行等で使うのも困難を極める。少し多いし、百万というスケールをポンと想像するのはかなり大変だ、と言える。まあバイクなどが趣味だとバイク買っておしまいなんて人は一定数いるだろうが。かと言って貯金というのは面白くない。

 コツコツとした貯金というのはあまり効果がない。月三万円の貯金をしたとして、貯まる金額は三年間でやっと百万、四十年間なら千三百万円となる。この程度の金額は老後、やあるいは結婚式なんかで簡単に溶ける。平均して月十万程度ずつ貯金すると四十年でおよそ五千万でこれなら老後もギリギリやっていける数字になる。

 つまり若い時にちょっと貯金したくらいでは全然まとまった金額にはならないのである。使った方がマシなのだ。だが使うとしても使う脳もない。

 庶民として生きた時、老後どうなるかなんていうのは案外既に重要な分岐を迎えているのかもしれない。

 

貯金しない言い訳すら得意な たかたか。