計画と日本酒

 巨人大鵬玉子焼き、とかいうふうにかつての娯楽というのは固定化されていた面もある。先生やら父親世代の人間やら、あるいは立ち飲みで話す人たちというのはみんなそれぞれ武勇伝みたいなものを持っているし、また、巨人大鵬玉子焼き、何て時代を経験してる人たちではないけれど、あの時代の人たちはまとまって行動するというのが一つ叩き込まれた思想である。

 彼らの若い頃の飲み会エピソードはずいぶんごついものが多く、居酒屋に連れて行かれる時はバケツ持参だったなんて言われると流石にこちらもドン引きである。当時は飲み会でも連帯感が大事だったらしい。飲み物も必ずビールで乾杯で潰す時は日本酒が鉄板ということであった。

 これは父親のエピソードなのだがそのせいか父親は10年ほど前までは無類の酒好きにも関わらず日本酒は苦手な方であった。元々家族で糖尿病家系である父にとっては本来幸いなことであったはずなのだが、歳を経って何故か日本酒の味を覚えてしまった。最近はまた糖尿病で血液検査の数値があの医者の不養生の典型を自負する父親にすら、いくらなんでも無視できない数字になっているらしく盛んにダイエットを頑張っている。

 さて何の話だったか忘れていたが、とにかく今の時代というのは周りの意見を大して聞かなくても良い代わりに、聞かないなら聞かないで自分で決める必要があるということがそれはそれで面倒なところである。スマートフォンがあるから手軽な娯楽にすぐに手を出してしまえるのでともすれば一日中スマホを見て終わりなんていうことも生じてしまう毎日である。

 ということで今は夏の旅行計画を練っている。今年は和歌山辺りに行こうかと友人を誘うと二つ返事で行こうと返事が来た。地酒が好きな人間はどこに誘っても付いてくるので楽ということは一つの学びであるが、一段と痩せた自分の体を見るに熊野古道でも何でも少し歩いてくるとする。本当はお遍路さんなんてのも考えたのだけれど夏丸ごと使うとぶっつけで期末を受けることになりそれは流石にまずい。

 

遊ぶ計画はゆっくり練る たかたか。