学費、齧歯類

 学費、という概念はしばしば勘違いされている、と思う。同じことを学べるなら安い方が良いとかみんなそう思い込んでいる。学ぶことに対する価値を支払うという考えに囚われている。

 学費もある意味アドミッション・ポリシーの一つである。社会的に見てどのような人間が来るべきか、という一つの指標と言える。社会主義なら基本的に教育費はタダなのでその点全ての人に開かれた大学という側面が強い。一方で資本主義やあるいは今の日本では当然学費がある。だからその学費を払えないのはそもそも来ることを大学からは求められていないと捉えることもできる。完全な自己保身のために言うけれど、苦学生を批判しているわけではない。学びたい意欲が自分より強いのは素直に尊敬できるしそう言う学生を軽んじるつもりは一切ない。

 よく私立医大の学費は高いとか医進予備校の学費は高いとか言うけれど、あれだけ高いからこそ均質な人間を集めることができる。期待値的に育った環境もより限定しやすいことが容易に想像できる。学費が高い通えないとか私立医大を見て思う人間に対してそもそもそれらの大学は門戸開放をしていないしするつもりもないだろう。

 多分、上級国民みたいな人間は存在するしそれよりもっとたくさんの金持ちが日本にはいるのだろうけど彼らは彼らで住む場所があり、こちらはこちらで住む場所がある、それだけのことだと思われる。

 

親の脛が無くなるまでかじる たかたか。